【DX人材とは?】デジタル人材との違いや経済産業省の定める類型、おすすめの資格も解説!

DX
  • DX人材ってよく聞くけど、システム開発できる人のこと?
  • IT部門に任せればDX推進できるの?
  • DX人材を育成するにはどうすればいい?

DX推進をしたいと思っても、具体的にどう進めていけばいいのか分からない、そもそもDX人材とは、と疑問を持つ方も少なくないでしょう。

本記事では、DX人材について現状や定義、経済産業省が定める5類型の詳細や、育成のためのスキルマップ・おすすめの資格についてご紹介します。

DX人材の重要性とは?

まずは、DX推進が必要な理由としての2025年の崖問題、DX人材の不足状況を通して、DX人材の重要性について解説します。

2025年の崖問題

DX人材の育成や採用が叫ばれる昨今ですが、背景には2025年の崖問題があります。

2025年の崖問題とは、経済産業省がDXを進められなかった結果として、老朽化したシステムがもたらす弊害と年間12兆円もの経済的損失が起きる可能性を示した問題です。

2025年の崖問題が提唱する課題には、以下が挙げられます。

2025年の崖問題の課題
  • システム導入していても、部署別に導入しており複雑化している
  • 現場からの反発によりシステムの統合や複雑化が解消できずデータ活用できていない

2025年の崖のポイントとしては、単にITツールを活用するだけでなく、社内全体としてデータを有効活用して新しい価値を生み出していく必要がある点です。

経済産業省が定めるDX人材の重要性とは?

2025年の崖問題を解決するためにも、DX人材の教育や採用は急務です。

しかし、DX人材という言葉は抽象的で、ぼんやりとITに慣れた若手社員、程度の認識の人も多いです。

経済産業省はDX推進に必要な「デジタルスキル標準」でDX人材について以下のように述べています。

  • 経営陣だけでなく所属する一人一人が理解・関心を持って自分事としてとらえていること
  • DXを具体的に推進するためには専門性を持った人材の確保・育成が必要

参考:デジタルスキル標準

つまり、DXを推進するためには所属する一人一人の意識と、ITスキル専門の人材確保・育成が重要です。

DX人材の不足状況

IPAの調査結果によると、DX人材の不足状況は下図のとおりです。

2022年のアメリカでの調査では、「やや過剰」と「過不足なし」を合わせて73.4%というデータがあり、日本のDX人材不足は大きな課題であることが分かります。

DX人材とデジタル人材の違いとは?

DX人材とデジタル人材を混同してしまうこともあります。

DX人材の特徴は以下の通りです。

DX人材の特徴
  • DX推進のために必要な知識やスキルを持っている
  • DXのためのコミュニケーション能力や考え方を持っている
  • 柔軟な発想力を持ってDX推進することができる

次に、デジタル人材の特徴は以下の通りです。

デジタル人材の特徴
  • 専門的なデジタル知識やスキルを持っている
  • デジタル技術を使って組織の課題を解決する

DX人材には必ずしもデジタル知識が必要ではありませんが、DX推進には、DXに関する意識や知識をもつDX人材と、デジタルの専門家であるデジタル人材の両方の力を合わせることが重要です。

DX人材の役割とは?

次に、DX人材の5つの人材類型と役割についてご紹介します。

具体的には、以下の5類型が挙げられます。

DX人材の5類型
  1. ビジネスアーキテクト
  2. デザイナー
  3. データサイエンティスト
  4. ソフトウェアエンジニア
  5. サイバーセキュリティ

以下で詳しく説明します。

ビジネスアーキテクト

ビジネスアーキテクトとは、DX推進する上でビジネスの目的を設定し、関係者間の協力関係をマネジメントし、目的を実現する人材を指します。

ビジネスアーキテクトはさらに3つのロールに分かれます。

ビジネスアーキテクトの3つのロール
  1. 新規事業開発
  2. 既存事業の高度化
  3. 社内業務の高度化・効率化

新規事業開発

新規事業の目的を策定し、関係者のコーディネート、リードをしながら目的を実現する役割を担います。

既存事業の高度化

既存事業の目的を見直し、目的実現のため関係者をコーディネート、リードをしながら目的を実現する役割を担います。

社内業務の高度化・効率化

社内業務の課題解決の目的を策定し、目的実現のため関係者をコーディネート、リードをしながら目的を実現する役割を担います。

デザイナー

デザイナーとは、顧客とユーザーの視点で、製品やサービスの方針・開発のプロセスを策定してデザインを担う人材を指します。

デザイナーはさらに3つのロールに分かれます。

デザイナーの3つのロール
  1. サービスデザイナー
  2. UX/UIデザイナー
  3. グラフィックデザイナー

サービスデザイナー

サービスデザイナーは、社内外関係者の課題や行動から製品・サービスの方針を策定し、継続的に実現するための仕組みのデザインを行う役割を担います。

UX/UIデザイナー

UX/UIデザイナーは、バリュープロポジション(企業が顧客に提供する利益や、顧客が買うべき理由)に基づいて、製品・サービスの情報設計や、機能、情報の配置、外観、動的要素のデザインを行う役割を担います。

グラフィックデザイナー

ブランドのイメージを具現化し、統一感のあるデジタルグラフィック、マーケティング媒体等のデザインを行う役割を担います。

データサイエンティスト

データサイエンティストとはDX推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材を指します。

データサイエンティストには3つのロールに分かれます。

データサイエンティストの3つのロール
  1. データビジネスストラテジスト
  2. データサイエンスプロフェッショナル
  3. データエンジニア

データビジネスストラテジスト

データビジネスストラテジストは、事業戦略に沿ったデータの活用戦略の発案・実現を主導し、顧客価値を拡大する業務変革やビジネス創出を実現する役割を担います。

データサイエンスプロフェッショナル

データサイエンスプロフェッショナルは、データの処理や解析を通じて、顧客価値を拡大する業務変革や、新たなビジネスにつながる有意義な知見を導き出す役割を担います。

データエンジニア

データエンジニアは、効果的なデータ分析環境の設計・実装・運用を通じて、業務変革やビジネス創出を実現する役割を担います。

ソフトウェアエンジニア

ソフトウェアエンジニアとは、DXの推進において、デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う人材を指します。

ソフトウェアエンジニアは、さらに4つのロールに分かれます。

ソフトウェアエンジニアの4つのロール
  • フロントエンドエンジニア
  • バックエンドエンジニア
  • クラウドエンジニア/SRE
  • フィジカルコンピューティングエンジニア

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、ソフトウェアの機能のうち、主にインターフェース(クライアントサイド)の機能を実現する役割を担います。

バックエンドエンジニア

バックエンドエンジニアは、ソフトウェアの機能のうち、主にサーバサイドの機能を実現する役割を担います。

クラウドエンジニア/SRE

クラウドエンジニア/SREは、ソフトウェア開発において、開発・運用環境の最適化と信頼性を向上する役割を担います。

フィジカルコンピューティングエンジニア

フィジカルコンピューティングエンジニアとは、ソフトウェアの実現において、現実世界(物理領域)のデジタル化を担い、デバイスを含めたソフトウェア機能を実現する役割を担います。

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティとは、DXの推進において、デジタル環境におけるサイバーセキュリティリスクの影響を抑制する対策を担う人材を指します。

サイバーセキュリティは、さらに2つのロールに分かれます。

サイバーセキュリティの2つのロール
  • サイバーセキュリティマネージャー
  • サイバーセキュリティエンジニア

サイバーセキュリティマネージャー

サイバーセキュリティマネージャーは、サイバーセキュリティリスクを検討・評価し、対策の管理・統制を主導することで製品やサービスの信頼度を上げる役割を担います。

サイバーセキュリティエンジニア

サイバーセキュリティーエンジニアは、サイバーセキュリティリスクを抑制するための対策の導入・保守・運用を通じて、商品やサービスの安定的な提供に貢献する役割を担います。

DX人材のためのスキルマップや資格とは?

次に、DX人材のための資格やスキルマップや資格についてご紹介します。

経済産業省が定めるスキルマップ

DX人材を育成するにあたって、スキルマップを元に育成を行うことは重要です。

経済産業省が共通スキルリストとして、DX人材の累計別のスキルマップを策定しています。

5つのカテゴリーを定め、さらに12のサブカテゴリ―で要件を整理しています。


カテゴリー サブカテゴリー スキル項目
ビジネス変革 戦略・マネジメント・システム ビジネス戦略策定・実行
プロダクトマネジメント
変革マネジメント
システムズエンジニアリング
エンタープライズアーキテクチャ
プロジェクトマネジメント
ビジネスモデル・プロセス ビジネス調査
ビジネスモデル設計
ビジネスアナリシス
検証(ビジネス視点)
マーケティング
ブランディング
デザイン 顧客・ユーザー理解
価値発見・定義
設計
検証(顧客・ユーザー視点)
その他デザイン技術
データ活用 データ・AIの戦略的活用 データ理解・活用
データ・AI活用戦略
データ・AI活用業務の設計・事業実装・評価
AI・データサイエンス 数理統計・多変量解析・データ可視化
機械学習・深層学習
データエンジニアリング データ活用基盤設計
データ活用基盤実装・運用
テクノロジー ソフトウェア開発 コンピュータサイエンス
チーム開発
ソフトウェア設計手法
ソフトウェア開発プロセス
Webアプリケーション基本技術
フロントエンドシステム開発
バックエンドシステム開発
クラウドインフラ活用
SREプロセス
サービス活用
デジタルテクノロジー フィジカルコンピューティング
その他先端技術
テクノロジートレンド
セキュリティ セキュリティマネジメント セキュリティ体制構築・運営
セキュリティマネジメント
インシデント対応と事業継続
プライバシー保護
セキュリティ技術 セキュア設計・開発・構築
セキュリティ運用・保守・監視
パーソナルスキル ヒューマンスキル リーダーシップ
コラボレーション
コンセプチュアルスキル ゴール設定
創造的な問題解決
批判的思考
適応力

引用:デジタルスキル標準

上記のデジタルスキルを、重要度別に重み付けをしています。

デジタルスキルのスキルマップ上の重み付け
  • a :高い実践力と専門性が必要
  • b :一定の実践力と専門性が必要
  • c :知識として説明可能なレベルでの理解が必要
  • d :体系として全体の中での位置づけや他項目との関連の理解が必要

なお、パーソナルスキルに関しては、「z:役割や状況に応じた実践力が必要」としているため、参考にする場合には各企業・プロジェクトの役割に応じた基準を準備すると良いでしょう。

DX人材のための資格

次に、DX人材を育成・評価するのに最適な資格をご紹介します。

DXの名がつく資格

DXと名がつく資格もあります。

技術的な資格と言うよりも、DXに関する知識をを学べる資格が多いのが特徴です。

DXの知識を学べる資格
  • DX検定
  • +DX認定資格
  • デジタルトランスフォーメーション検定
DX検定

DX検定は、2018年から創設され、DXに関わるIT技術を包括的に学ぶことができます。

60分120問の選択式の試験です。

600点以上で『DXスタンダード』、700点以上で『DXエキスパート』、800点以上で『DXプロフェッショナル』と点数によってレベル認定されることが特徴です。

参考:DX検定公式Webサイト

+DX認定資格

+DX認定資格は、DXの基礎から学べる入門となる認定資格です。

試験はCBT方式で行われ、選択式の40分で40問出題中、80%以上で合格となります。

自宅などで手軽に受験ができるため、DXの初学者にも受験しやすい資格です。

参考:+DX認定資格公式Webサイト

デジタルトランスフォーメーション検定

デジタルトランスフォーメーション検定は、以下3種類に分かれています。

  • DXパスポート試験:DX推進の基礎知識を学ぶ
  • DX推進アドバイザー認定試験:DX推進アドバイザーのための中級知識を学ぶ
  • DXオフィサー認定試験:DX推進の上級知識を学ぶ

3種類ともに選択式の試験で、70%程度の正答率で合格となります。

参考:デジタルトランスフォーメーション検定公式Webサイト

DX人材育成のための実践的な資格

DX推進していくために必要な実践的な資格も一部ご紹介します。

DX人材育成のための実践的な資格
  • 基本情報技術者試験/応用情報技術者試験
  • AWS認定試験
  • ITコーディネータ試験
基本情報技術者試験/応用情報技術者試験

基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は、IT技術に関する知識を証明する国家試験です。

DX人材のどの類型においても、基礎知識として学習するに損はない資格です。

  試験方式 出題形式 合格基準
基本情報技術者試験 CBT方式 全問選択式 全問の60%以上
応用情報技術者試験 年2回、PBT方式


午前:選択式
午後:記述式

午前、午後それぞれ60%以上

参考:基本情報技術者試験公式Webサイト
参考:応用情報技術者試験公式Webサイト

AWS認定試験

AWS認定試験は、Amazonが提供するPaaS(ソフトウェアを実行するためのプラットフォームをサービスとして提供すること)についての技術的なスキルや専門知識を測る試験です。

DX人材の類型でいうと、ビジネスアーキテクト・データサイエンティスト・ソフトウェアエンジニアに特におすすめの資格です。

AWS認定試験には種類も多く、自身がどの資格を目指すべきかも紹介していますので、公式Webサイトをしっかり確認しましょう。

参考;AWS認定試験公式Webサイト

ITコーディネータ試験

ITコーディネータは、経済産業省が推奨する資格でもあり、IT技術によるDX戦略などを先導できる人材のための資格です。

DX人材の類型の中では、ビジネスアーキテクトやデザイナーにおすすめの資格です。

また、コンサルタントやアドバイザーとして独立する場合にも向いている資格です。

誰でも受験できる一般コースの試験は、120分100問の選択式で、CBT形式での受験が可能です。

【まとめ】DX推進はDX推進のマインドを持つDX人材とIT専門のデジタル人材の力が必要

本記事では、DX人材の現状や定義、経済産業省が定める5類型の詳細や、育成のためのスキルマップ・おすすめの資格について解説してきました。

DXを推進するためには、デジタル人材をかき集めても達成できません。

関わる全ての人が、DX推進のマインドや柔軟な発想力を持ち、知識を身につけなければなりません。

経済産業省が定める5つの類型やスキルマップを元に、自社のDX推進の課題に基づいた独自のスキルマップを準備し、教育体系をしっかりと構築することもDX推進のためには重要です。

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